トレンドを押さえるレイヤーカット|似合わせ×再現性を叶えるテクニック

近年のヘアトレンドを見てみると、韓国ヘアやウルフカット、くびれミディアムといった

“レイヤーを活かしたスタイル”が注目を集めています。

重たさよりも「抜け感」や「軽さ」「動き」といったキーワードが主流となり、カットだけで印象を大きく変えるスタイル設計が求められるようになりました。


レイヤーカットは軽さや動き、フォルムを作るために欠かせないカットテクニックであり、

デザインの幅を広げるうえでとても重要な要素となっています。

トレンドの変化とともに、レイヤーの入れ方や見せ方も日々進化しています。

今回は美容師の目線から、レイヤーの基本や種類、実践テクニックまでをわかりやすくご紹介します。


■ レイヤーとは?
レイヤーカットはカット技術の基本であり、
髪に段差(レイヤー)をつけて重なりを変化させることで、「動き」や「軽さ」「立体感」を生み出します。
効果や使いどころは多様で、カットデザインの幅を大きく広げる重要な技術です。

具体的には、上の髪を短く、下を長く段差をつけることで、髪の重なりが減り、空気を含んだような軽さや動きが出ます。
この重なりの減少は見た目だけでなく手触りや質感にも影響し、柔らかくふんわりしたボリューム感が出やすくなります。

現代のトレンドヘアでは、レイヤーが作る「動き」や「抜け感」が重要視され、韓国風の柔らかい質感やウルフカットのエッジの効いたシルエットなど、多くのスタイルの基盤となっています。

つまり、レイヤーカットは美容師の表現の武器であり、良いスタイルを作る土台です。

さらにレイヤーには様々な種類があり、段差の位置や高さ、量で仕上がりが大きく変わります。
「ハイレイヤー」「ローレイヤー」「ミディアムレイヤー」などがあり、

例えば、トップから段差をつけるハイレイヤーは動きが強調され華やかに。
毛先近くだけに段をつけるローレイヤーは重さを残しつつ自然な柔らかさを演出します。
これらの違いについては、次に詳しく説明します。

■ レイヤーの種類と特徴

レイヤーには大きく分けて、ハイレイヤー・ローレイヤー・ミディアムレイヤーの3種類があります。
それぞれの特徴や適した髪質、デザイン性が異なるため、お客様の骨格や髪質、理想のスタイルに合わせて使い分けることが大切です。

ハイレイヤー
ハイレイヤーは、頭頂部からしっかり段差をつけるスタイル。
髪全体に動きと軽さを出し、立体的なシルエットを作りやすいのが特徴です。
毛量が多い方やくせ毛の動きを活かしたい方に効果的で、ボリュームを調整しつつ軽やかに仕上がります。
ウルフカットやハッシュカットなど、トレンド性の高い個性派スタイルによく用いられ、ファッション感度の高い方に人気です。
ただし、段差が強く出る分、広がりやすい髪質には注意が必要。
仕上がりがスタイリングに左右されやすいため、スタイリング提案もセットで行うことが重要です。

ローレイヤー
ローレイヤーは毛先に近い部分にだけ段差を入れ、重さを残しながらフォルムに奥行きを出すスタイル。
髪のまとまりや艶をキープしやすく、ナチュラルで扱いやすい仕上がりが魅力です。
特にミディアム〜ロングヘアとの相性が良く、落ち着いた印象の中に軽やかさを演出できます。
派手な動きは控えめながら、自然な揺れや空気感を出したい方に最適。
広がりやすい髪質でも比較的取り入れやすく、毛量調整にも効果的です。
また、スタイリングも簡単で、時間をかけずにまとまりが出せる点も魅力です。

ミディアムレイヤー
ミディアムレイヤーは、ハイとローの中間にあたるレイヤーで、ナチュラルな段差が特徴です。
初心者や、初めてレイヤーを入れる方にもおすすめで、軽さとまとまりのバランスに優れています。
動きとボリュームを程よく両立し、骨格補正にも効果的。

丸顔や面長、絶壁などにも対応でき、幅広い骨格をカバーできます


ショート〜ロングまで幅広い長さに使え、スタイリングもシンプルにまとまります。
自然体な雰囲気を求める方に特にマッチするレイヤーです。

お客様の髪質・骨格・ライフスタイルによってどのレイヤーが最適かは一概に言えませんが、

なぜその位置に段差を入れるのか、どんな印象を狙うのかを明確にしたうえで施術することが大切です。

レイヤーの種類を的確に使い分けることで、扱いやすく魅力的なスタイルが生まれます。
美容師としては技術だけでなく、お客様の声を丁寧に聞き取り、理想に寄り添うデザインを提案する姿勢が何より大切です。

■ 実際のカットで意識していること

レイヤーを入れる際、美容師として必ず確認しているのは以下の3点です。

  1. 髪質(硬さ・太さ・クセの有無)
  2. 骨格(ハチ張り、絶壁、丸顔など)
  3. お客様の理想のイメージや普段のスタイリング習慣

これらはどれも仕上がりに大きく影響するため、

丁寧なカウンセリングを通じて、慎重に見極めます。

例えば、毛量が多く広がりやすい方にハイレイヤーを入れすぎると、

毛先が浮いてしまい、まとまりにくくなることがあります。

逆に、ボリュームが出づらく、髪がペタッとなりやすい方にローレイヤーのみを入れると、動きが出にくく、のっぺりとした印象になることもあります。

レイヤーは「ただ段を入れる」だけではなく、仕上がりのフォルム・質感・動きをデザインする繊細なテクニックです。

仕上がりイメージと、毎日のスタイリングにかけられる時間も非常に重要で、
その人のライフスタイルに合うかどうかが、再現性や満足度を大きく左右していきます。

■ トレンドスタイル別・レイヤーの活かし方

レイヤーはあらゆるスタイルの“ベース”として活用されていますが、近年のトレンドでは特に以下のようなスタイルとの相性が抜群です。

▷ ウルフカット

ウルフカットは過去にも流行っていましたが、ここ数年で再ブーム。

現代のウルフはシャープすぎず、女性らしさを残した“マッシュウルフ”や“ネオウルフ”として再解釈されています。
ハイレイヤーを使って上から動きを出しつつ、顔まわりや襟足に抜け感をつくるスタイルです。

▷ 韓国風レイヤースタイル

韓国ヘアの定番スタイル「ヨシンモリ」や「ハッシュカット」なども、実はハイ〜ローレイヤーが巧みに使われています。
顔まわりにくびれと曲線を出すことで、小顔効果や女性らしい柔らかさを引き出します。巻き仕上げとの相性が非常によく、仕上がりの再現性も高いため人気です。

▷ くびれミディアム

「くびれミディ」は、ボブやミディアムの中間にある絶妙なバランスが特徴。

レイヤーで首元にくびれ感をつくり、毛先は重さを残すことで艶感のある髪の毛に。
重軽のコントラストが重要なため、ローレイヤー〜ミディアムレイヤーの構成で作られています。

こうしたトレンドスタイルは、すべて「レイヤーがどう設計されているか」で印象が決まります。

カットで“魅せる”ことが求められる時代において、レイヤーは欠かせない存在となっています。

■ お客様がレイヤーを選ぶときのコツ

レイヤーはシンプルに見えて、髪の長さ・毛量・質感・骨格・ライフスタイルによって最適な形が大きく変わります。自分に合うレイヤーを選ぶ際のヒントをご紹介します。

1. 髪の長さに合ったレイヤーを選ぶ

  • ショート〜ボブ:顔まわりにレイヤーを入れると、小顔効果や抜け感が出ます。
  • ミディアム:中間の重さをミディアムレイヤーで軽やかに見せるのが◎。
  • ロング:まとまり重視の方は毛先にローレイヤーで重さを残しつつ動きをプラス。動きが欲しい、華やかにしたいならハイレイヤーが◎。

→ 自分の長さと「なりたい雰囲気」をイメージして選びましょう。

2. 骨格や顔立ちに合わせる

  • 頬骨が気になる方:顔まわりのレイヤーでカバー。
  • 面長:頬〜あご周りに重心がくるように入れるとバランス◎。
  • 丸顔:トップにボリュームが出るハイレイヤーで縦ラインを強調。

→ 「小顔に見せたい」など希望を美容師に伝えるのが大切です。

3. 軽さ・動きの出し方で選ぶ

レイヤーの高さで印象が変わります:

  • ハイレイヤー:ふんわり軽く動きが出やすい
  • ミディアムレイヤー:適度な動きと扱いやすさ
  • ローレイヤー:毛先に少しだけ動きを出したいときに

→ スタイリング写真などを見せると希望が伝わりやすくなります。

4. ライフスタイルに合わせる

  • 毎日巻く方:ハイレイヤーで華やかに。
  • 時短派や結ぶことが多い方:ローレイヤーや顔まわりだけのレイヤーが◎。

→ 「朝どれくらいスタイリングに時間をかけられるか」で選ぶのも重要です。

必要以上に軽くなりすぎたり、扱いにくくなったりしないよう、自分の生活や好みに合わせて選ぶのが、満足のいくスタイルへの近道です。

まとめ

レイヤーカットは、「軽さ」や「動き」、「柔らかさ」など、髪の印象を大きく変えることができるカット技術です。
髪質や骨格、ライフスタイルに合わせて入れ方を調整することで、初めてその魅力がしっかり活かされます。

「ふんわりさせたい」「まとまりやすくしたい」「もっと似合うバランスにしたい」
そんな想いに寄り添いながら、一人ひとりに合わせたレイヤースタイルをご提案しています。

気になるトレンドスタイルや、ご自身に似合う髪型がわからない方も、ぜひ一度ご相談ください。
髪の悩みや普段のお手入れのことまで丁寧にお伺いし、毎日が少し楽しくなるような、

「ちょうどいいスタイル」を一緒に見つけていけたら嬉しいです。

lyann 表参道 ディレクター 田中誠二